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 終活での財産の確認の進め方を簡単解説していきます。(終活について詳しくは『終活とは何か?終活の概要を簡単解説!』をご覧ください。)

財産というとプラスの要素を思い浮かべますが、例えば、借入などマイナスの財産の確認も必要です。今回は、多くの人が対象となるであろう、貯蓄、不動産、保険、年金、借入について解説していきたいと思います。

貯蓄

 預貯金

 貯蓄の代表的なものとして預貯金があります。銀行に預けたお金を預貯金と言います。預金と貯金何が違うのとたまに聞かれますが、これは、仕組みや内容は同じで預ける金融機関によって呼び方が違うというだけです。大まかに大別すると、銀行・信用金庫・信用組合などは『預金』と呼び、ゆうちょ銀行・農協などは『貯金』と呼んでいます。

 多くの人が人生のいろいろな場面で口座を作ります。ただ、使っている口座は限られているのではないでしょうか?終活ではこの口座の確認からスタートします。手順は以下の通りです。

①金融機関ごとに残高証明書を出してもらうなどして、自分の持っている口座を確認します。

②預金口座の一覧表を作成します。(注意点は、残高が0円の口座も一覧表に書くということです。また、インターネットバンキングも忘れず書きましょう。)

③一覧表で必要な口座と不要な口座を整理する。

④不要な口座は解約手続きをする。

 この整理が大事なのは、基本的には、口座は残高が0円でも解約手続きをしない限りなくなりません。これを残しておくと本人が亡くなった際に、残された方が手続きで苦労されるでしょう。また、2018年1月に『休眠預金等活用法』から施工され、2009年1月1日以降の取引から10年以上取引がない預金は、民間公益活動に活用されることとなりました。(詳細は金融庁)残高はあるけど、取引を全然していないという方はできるだけ早く確認することをお勧めします。

 また、ペイオフに備えることも重要です。ペイオフとは、銀行などの金融機関が破綻した場合に、1金融機関1預金者あたり元本1,000万円とその利息の払い戻しが保証される制度です。普通預金や定期預金は基本的にペイオフの対象となりますが、外貨預金は対象とならないので注意が必要です。

有価証券

 預貯金以外の貯蓄で代表的なものが株式や投資信託などの有価証券があります。有価証券には、通帳がなく、取引ごとに発行される取引報告書や残高明細、年間取引報告書などの書類で確認ができます。株式や投資信託は値動きが大きくリスクもあります。年齢を重ねると判断能力は衰えていきますので、リスクの少ないものへシフトしていくことが一般的です。

不動産

 不動産は、貯蓄と比べて確認の方法に手間がかかります。また、なかなか調べる機会もないので、この家は先祖代々うちの家族が住んでいるからうちのものだと思っていても登記の内容を確認すると自分以外にも所有者がいたという話も聞きます。残された人のためにも問題がある場合は解決しておきましょう。確認の手順は次の通りです。

①市町村から送られてくる固定資産税の課税明細を確認する。

②送られてきた市町村で名寄帳を取得する。(固定資産の課税明細には、その市町村で所有している物件のほぼほぼすべてが出てきますが、中には非課税のものはのっていない場合などあるため)

③名寄帳に載っている物件の登記事項証明書を法務局で取得する。

④名寄帳に載っている物件の地積測量図を法務局で取得する。(すべての土地で地積測量図があるわけではないので注意が必要です。)

⑤現地で現況を確認する。最近はインターネットの地図が発展してきているのでそれで確認できる場合もありますが、基本は現地で確認することをお勧めします。)

以上の手順で、確認します。

 確認した結果問題があった場合は、できるだけ早く対処することをお勧めします。

 例えば、所有する不動産が共有名義の場合、相続の際トラブルになることが多く、共有名義者と話し合い、生前に整理を行っておくのがいいでしょう。また、災害などで土地と土地の境界が分かりにくくなっている場合など、近隣の所有者と生前に話し合い、覚書など作成しておくのがよいでしょう。

保険

 今日、多くの人がなんらかの保険に加入しています。ちなみに、ここでいう保険は、公的な社会保障とは違う民間の保険のことです。保険は、保険証券を確認することで保障の内容を確認できます。保険証券で分かりにくい場合は、保険の設計書や定期的に送ってくるお知らせを参照します。

 保険は入るとき、そんなに意識せず保険に入ってしまうことが多いですが、他で入っている保険の保障の内容と重複していないか確認することが大事です。また、生活状況も変化するので、将来の人生設計に合うよう、定期的に見直しが必要です。保険の種類はかなり多様化してきているのでここですべてを記載することはできませんが、保険を大きく分けてそれぞれざっくりどんな保険かを書くこととします。保険の整理や見直しの参考にしてください。

・生命保険は、死亡に備える保険で、定期保険と終身保険があります。いずれも保険の対象となる人が死亡した際に保険金が支払われます。ただ、定期保険は一定期間だけを保障するのに対して、終身保険は、一生涯保障が続きます。

・医療保険は、病気やケガに備える保険です。保険の対象となる人が入院したり、手術を受けたときに給付金が支払われます。

・がん保険は、がんに備える医療保険の一種です。保険の対象となる人が、がんと診断されたり、がんの手術をしたときに給付金が支払われます。

・介護保険は、介護に備える保険です。保険の対象となる人が、介護が必要となった時に一時金や年金形式で保険金が支払われます。

・養老保険は、主として財産を蓄える保険です。保険の対象者が払込期間中に死亡した場合は、死亡保険金が支払われます。満期まで生存していた場合、満期保険金が支払われます。

・個人年金保険は、財産を蓄える保険です。契約時に設定した年齢に達すれば、年金が支払われるます。年金受取の期間は、契約により様々です。

・自動車保険は、自動車事故に備える保険です。すべての自動車には、自賠責の加入義務があります。ただ、自賠責で足りない部分があるので、民間の自動車保険で補完しようということです。主に自動車事故があった時に保険金が支払われます。

・住宅保険、地震保険は、災害に備える保険です。災害があった際に損害を受けた場合に保険金が支払われます。

年金

 年金は、多くの人が老後の収入のベースとなる公的年金の確認を行います。公的年金の確認は、毎年誕生月に送られてくるねんきん定期便で確認します。企業年金、国民年金基金、個人年金など加入している人は、お知らせで確認します。老後自分が受け取れる年金の額を確認したら、老後の生活費を考え、国民年金基金や個人年金に加入することを検討しましょう。

借入

 借入は借金というイメージで悪いイメージがありますが、住宅ローン等の借り入れや携帯の代金の分割払いも借金と考えるとほとんどの人が借入があるといえるかもしれません。

住宅ローンは、団体信用生命保険に入っているかを必ず確認しましょう。団体信用保険に入っていれば、その人が死亡した時点で保険金で借入金残高が返済されるので住宅ローンは残りません。団体信用保険に入っているかは、保険証券で確認できます。住宅購入時の契約書などが入ったファイルに保険証券が入っていることが多いです。

クレジットカードのキャッシングも確認しましょう。クレジット会社から届く明細で確認できます。最近は、ネットで確認できるようになっているクレジット会社が多いと思います。

保証人になっている場合は、その保証人となった契約書で確認ができます。相続人が相続の放棄をするかどうかの判断の指針にもなりますので、必ず確認してエンディングノートに記載するか、家族に伝えておくようにしましょう。

(エンディングノートについて詳しくは『エンディングノートとは?エンディングノートの内容を簡単解説!』をご覧ください。)

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